【コラム】ライディングで意識してやっていること
YSP杉並南のツーリングなどで、ライディングのアドバイスを求められることがあります。そのときお伝えしていることを、改めて文章化しようと思います。
kuroki自身がライディングで意識してやっていること、いわゆる「コツ」です。
前提
以前、MT-09 FunRidesでライディングテクニックについてのコラムを記載しましたが、お伝えしたい要点は2つ。
- ライディングはスポーツである
- ライディングは物理現象への作用である
スポーツである以上は、教本やコーチの指導に沿って反復練習して定着を図ること、自身の身体の動きをチェックしてイメージ通りに動けるように調整することが欠かせません。
バイクが走ることは、必ず物理現象が発生しています。バイクに対して外部から力を与えて物理現象に作用するのがライディングですから、どのような物理現象が発生しているかをイメージすることは効果的です。
これらを前提として、kurokiがライディングで意識してやっていること列挙していきましょう。
ライディングフォーム
MT-10はタイヤが太いので(F:120/70 R:190/55)、上半身をイン側にオフセットしたほうが曲げやすいです。
オフセットする方法として、リーンイン、ハングオフがありますが、状況に応じて使い分けています。
(参考:ハングオンとリーンイン、どっちが速い?)
kurokiが意識してやっていることは、コーナーで「座り直し」をすることです。
- お尻のアウト側半分で、シートのイン側に座る
- お尻のわれ目を、シートのエッジに合わせる
- アウト側の太ももで、シートの対角線(イン側後方⇔アウト側前方)を結ぶ
イン側のヒザを下ろしていけばヒザ擦りになるフォームですが、イン側のヒザはタンクに付けて折りたたむことが多いです。ハングオフ的リーンインと言えるかも。
このフォームのメリットは、バンク角を安定させやすく、ハンドルから力を抜きやすいこと。つまり、セルフステアを活かしやすいことです。また、サーキット走行における荷重移動のトレーニングになります。
その代わり、忙しくて疲れやすいことがデメリットとなります。
セルフステアと舵角
二輪車は、傾けても曲がりません。
ハンドルを切り、進行方向に対してフロントタイヤの抵抗が作られることで、舵が効いて曲がっていきます。
その後、リアタイヤの傾きに追従して、フロントタイヤが傾きイン側へ切れていきます。
この挙動を「セルフステア」と呼び、フロントタイヤの切れ角を「舵角」と呼びます。
(参考:セルフステアについて)
kurokiが意識してやっていることは、セルフステアを邪魔しないことです。
車体の動きに逆らわないようにすると、フロントタイヤが安定して路面を捉えてくれますし、路面の状況もわかりやすくなります。結果的にスムーズに安定してコーナーを抜けられます。
余談ですが、コーナリングのキッカケとしてイン側のハンドルをポンと前に押す、「逆操舵」と呼ばれるテクニックがあります。フロントタイヤに強い抵抗が作られるため、結果的に鋭く曲がれます。
フロントタイヤをこじる操作になるため多用は注意ですが、グリップの許容範囲内であれば自由に使えばよいと思っています。
身体の脱力
人間は緊張すると筋肉がこわばって硬くなります。そうなると、路面からの振動が脳へ伝わりづらくなり、路面の状況を理解しづらくなり、余計怖くなる悪循環になります。
kurokiが意識してやっていることは、脱力して筋肉の硬さを取ることです。
人間のセンサーを敏感な状態に戻すと、路面や車体の状況がよく見えるようになります。すると、今までやれていたことを普通にやれる状態に戻り、平常心も戻ってきます。そして、悪循環から抜け出せます。
ブレーキング
スポーツバイクは主にフロントタイヤで減速を行います。フロントとリアの割合は8:2ぐらいという感覚。
フロントブレーキの効力を正しく引き出すため、次の順序で操作していきます。
- 最初は軽くかけて遊びを取り
- ギュッと握って効力を立ち上げ
- コーナーの出口が見えるまで引きずりながら、ジワジワとリリースしていく
フロントブレーキをかける→フロントフォークが縮む→フロントタイヤに荷重がかかる=コーナリングが安定します。
kurokiが意識してやっていることは、一気にかけないこと、ジワジワとリリースすることです。
スロットルを戻しながら指をブレーキレバー上で滑らせる操作は、1と2の操作がスムーズかつ確実に行えるお気に入りのアクション。身体が自然に動くように、どんな時もやるように心がけています。
また、リアブレーキは、減速よりも姿勢制御の役割が強いです。
フロントブレーキをかける少し前にリアブレーキを踏むと、車体を安定させてくれる大変便利なヤツです。
ただし、頼りすぎるのは要注意。ベーパーロック現象が発生してブレーキが効かなくなったことが二度三度とあるため、あえてリアブレーキを控えめに走る練習をしています。
まとめ
以上がkurokiがライディングのときに意識してやっていることです。
他にも意識せずにやっていることは多々ありますが…こちらを書き起こすのはちょっと無理です(汗)。
なお、怖いと思ったら平常心で走れる速度に落とすことも重要です。
無事に家に帰ることが何より大事なことですから。
参考になれば嬉しいです!