YSP杉並南 黒部ダムツーリング Day2

ツーリング

午前7時。昨晩降った雨が路面のあちこちに黒い染みを作っているものの、概ねドライになっています。まだ薄く雲がかかってスッキリしない空ですが、これから青空になっていくことを期待しましょう!

YSP杉並南ツーリングは2日目。本日のkuroki軍は、午後7時まで走り回ってこのホテルに戻ってくる予定。なので、他のチームよりも早く出発するのであります。
メンバーは以下の通りです(左から)。

  1. kuroki@MT-10SP
  2. hingeさん@FJR1300
  3. 翔太メカ@MT-09SP
  4. 佐野メカ@XJR1300
  5. Kidaさん@TRACER900
  6. 池谷メカ@XSR700

日頃お世話になっているメカニックの皆さまには、走りをたっぷり堪能していただきますよ。

安房峠~奥飛騨~五味原湖~せせらぎ街道

日本アルプスサラダ街道を南下して安房峠へ向かいます。やがて雲は消えていき、気持ち良い青空が広がっていきました。
R158(野麦街道)に入ると抜け道なしの一本道。ダラダラと混雑した流れに合わせて、忍の一文字で我慢して走ります。

安房峠道路の旧道に入ると一転してガラガラになり、ワインディングロードを楽しめます。
ここを走ったのはかなり前のこと。パソコン通信のNifty FBIKEフォーラムで結成されたグループの宿泊ツーリングに参加し、この安房峠を走ったのです。総勢100台ぐらい集まったかな。マスツーリングもオフ会も初めての経験だったため、とにかく強烈なインパクトを受けました。今でも鮮明に思い出します。

そんな昔の思い出を懐かしみながら、やや荒れた路面のワインディングロードを駆け抜けます。
あの頃(1996年)は安房峠道路が開通しておらず旧道のみ。ヘアピンカーブで切り返す観光バスが原因で大渋滞となっていましたが、今はガラッガラ。雲泥の差です。

安房峠を降りて平湯温泉からR471(奥飛騨湯ノ花街道)を走って、道の駅奥飛騨温泉郷上宝かみたからに到着です。
カラッと爽やかな秋晴れの空。実に気持ちのいい高原の空気が肌を撫でます。「ああ、ツーリングに来てよかった!」としみじみ思うのです。

そしてここから新穂高温泉へ登っていくと、北アルプスを望む絶景スポットがあるんです。ぜひ立ち寄りたいところですが、今日は予定が詰まっているのです。
後でわかったのですが、Yoshine隊が行ってたようです。くぅ~、羨ましい!

さて我々は、絶景を諦めてR471で飛騨高山へ向かいます。途中からショートカットルートのr89(飛騨・そま街道)に入ったのですが、これが想定外の悪路だったのです。
とにかく道路が荒れています。アスファルトの舗装はザラザラに傷み、あちこちが大地に還りかけた砂利の姿になっているのです。
不安な路面状況に神経をすり減らす行軍が続きます。ヘビー級のFJR1300には特に厳しい戦場です。kuroki自身もフロントタイヤがすくわれて飛びかけましたし(汗)。

一休み中のショット。明るく振る舞っているように見えますが、実は疲労困憊のkuroki軍。

五味原湖ごみはらこ(丹生川ダム)に近づくと急に路面が良くなります。
ようやく悪路ゾーンを抜けられたことに安堵するのと同時に、「ああ、無事に生還できた!」としみじみ思うのです。

r89 → r473 → r471 → r457 → r73 → R158と飛騨高山の市街地を迂回して、人気のツーリングルートである「飛騨せせらぎ街道」へ入ります。
ここを走ったのは1995年。まだ免許取り立ての一年目ビギナーで、初めてのロングツーリングでした。

ライダーズカフェAGUSTA

午後1時。ライダーズカフェAGUSTAに到着です。このお店、ちょうど緊急事態宣言が解除された今月から営業を再開しているのですよ。

名前に違わず、バイクとクルマに彩られた店内なのです。

「Cafe AGUSTA」の由来となったMV AGUSTAのF4 1078 RRのデザインはマッシモ・タンブリーニ。いつ見ても惚れ惚れする美しさです。いい目の保養になりますな。

kurokiがオーダーしたカレーがやってきました。「極み飛騨牛カレー」です。なかなか美味しいのですが、スパイスの癖が強いため、好みが分かれそうだと思いました。

上呂~濁河温泉~野麦峠

ランチのあと、Kidaさんは宿へ直行することになりました。残ったメンバーで今日のメインステージへアタックします!

R472(せせらぎ街道) → R257(木もれ日かえで街道) → r88とクルージングを楽しんだあとは、ファミマ飛騨萩原店で一休み。
これからのくねくね道アタックに意気揚々とする我々は、しかし今やるべきことに気づいていませんでした。

r437 → r441(飛騨御岳はなもも街道)は片側1車線のタイトなくねくね道。5台のビックバイクが連なって抜けていきます。
ビギナー時代(1995年)にXJR400でこのワインディングを走ったときも、ちょうどこの時期。思った以上に早く日が暮れていくことに焦りながら、走っても走っても終わらないくねくね道を、必死の思いで走りましたっけ。あの頃はいっぱいいっぱいでしたが、26年経った今は余裕しゃくしゃくで走り抜けます。

午後3時半。濁河にごりご温泉の近くまでやってきて、一休み。
秋の夕暮れの空気は冷たく締まっています。標高1,800mという高所ということもありますし。

r435(飛騨御岳しだれ桜街道)のダウンヒルは、率直に言ってサイコーです!
視界が広い快適なワインディングロードを、5台が連なって流れるように駆け下りていきます。

パッと視界が開けるたびに、笑いがこみ上げてきます。しかもこの素敵なワインディングを、我々5台で貸し切りなのです。

R361(飛騨街道西野通り)を左に折れ、野麦峠を抜けるルートを選択します。
r39(野麦カエデ街道)を登っていったところ…

なんと!野麦峠は通行止めだったのです!
しかも!kuroki号と翔太号のガソリン残量が心もとないときたもんだ!

大ピンチのkuroki軍

さて、これからどうする?

今の時刻は午後4時半。田舎のスタンドは閉まるのが早い。
しかも今日は日曜日。街道沿いまで行かなければ、開いているスタンドがないかもしれない。

緊迫した検討の結果、スタンドが開いている可能性の高い木曽福島周りのルートを選択するのでした。

ああ、ランチ後に忘れずに街道沿いで給油を済ませておけば、こんなに焦る必要はなかったのに…と後悔しても遅いのです。
遠くの山々は夕陽で輝いているのに、自分たちの周りだけ急速に暗くなっていくのを感じると、どうしようもない焦燥感に駆られます。そして、この光景はきっと生涯忘れることはないでしょう。

R361に入り、淡々とエコランを続けます。
アクセル開度を一定に、加減速はできるだけ抑え、燃料消費の少ない走りを心がけますが、無情にもFランプが点灯。木曽福島までは40km。はたしてガソリンは持ってくれるだろうか。ジットリと嫌な汗がわいてきます。
「26年経った今は」なんて言ってた余裕は消え失せ、焦りを抱えながらピリピリした走りを続けます。開田高原の集落を抜けていたところ、我々に救いの手が差し伸べられるのです。

ガ、ガソリンスタンドだ!
しかも開いてる!日曜日なのに!

超ハイテンションで滑り込む我々。九死に一生を得た気分であります。
しかも今の時間は午後5時。これから店を閉めようとしていた、間一髪のタイミングでした。

安堵と疲れをないまぜにした表情を浮かべる我々に、お店のお婆ちゃんが飴ちゃんを配ってくれました。
この甘さは…染みる…。身体にも心にも深く染み入る味わいでした。

ありがとうENEOS木曾開田高原SS。このスタンドのことは生涯忘れませんよ!

給油を終えたら日も暮れて、木曽福島に到着した頃にはもう真っ暗。R19(中山道)で塩尻方面へ向かいますが、トラックと一緒のペースで走るしかなく、ドンと疲労が積み増します。
塩尻ICから中央道に入り、安曇野ICまでワープ。このまま厚木の自宅に戻る池谷メカと別れて高速を降り、r310 → r306(安曇野わさび街道) → r45(大町アルペンライン)と走って宿へ向かいます。

午後7時半。どうにかこうにか黒部ビューホテルへ戻ってきました。
当初予定の30分遅れです。急がねば!

皆さんが待つ宴会場に滑り込むと、すぐさま宴がスタート。
くぅ~!疲れた身体にビールが染みるぜ~!

しかし今日は、ホントにいろんなことがあったツーリングでした。先導としては反省点が多いですし。
良くも悪くも強烈なインパクトがありました。いろいろと忘れられないことだらけです。

参加された皆さま、ホントにお疲れ様でした。

本日のルート

  1. 往路:黒部ビューホテル~安房峠~奥飛騨~五味原湖~せせらぎ街道~ライダーズカフェAGUSTA
  2. 復路:ライダーズカフェAGUSTA~上呂~濁河温泉~野麦峠~開田高原~木曽福島~黒部ビューホテル

※実際に走行したルートとは若干異なります

ツーリング

Posted by kuroki