【コラム】やってよかったカスタム – 走りのカスタム編

コラム

先日、必ずやっておくカスタムメニューをご紹介しましたが、かなりのPVがありました。

  1. 必ずやっておく (Must Have)
  2. ぜひやっておこう (Should Have)
  3. あると良いもの (Nice to Have)

今回はkuroki自身がやってよかった、ぜひ皆さんにも勧めたいと思うカスタムメニューをご紹介していきます。書いてたら長くなってしまったので二部構成でお届けします。
まずは「走りのカスタム編」からです!

はじめに

カスタムは自由と言いますが、それでも道理ってもんがあります。
ちゃんと走れるマシンを目指すなら、これらは必ずやらなきゃいけません。

  1. 消耗品の適切な交換
  2. 適切な整備の実施

釈迦に説法かもしれませんが、やることやった上で走りのカスタムに臨んでくださいね。

タイヤ

MT-10で走りのカスタムをするならば、まずはタイヤ。兎にも角にもタイヤです。タイヤは消耗品ですが、走りの質を高めるカスタムパーツでもあります。
最新のタイヤなら何を履いてもOKですが、重要なことはフレッシュなタイヤを履くことです。気持ち良いフィーリングで走りたいなら、タイヤの鮮度にこだわりましょう!

タイヤのカテゴリーですが、スポーツタイヤカテゴリーから選ぶのがよいでしょう。BRIDGESTONE S23などのカテゴリーです。グリップ、温まりやすさ、レイン性能、ライフなどが高次元でまとまっており、ツーリングもサーキットもどっちもOKな万能型です。
よりグリップを求めるなら、ハイグリップタイヤカテゴリーを選びましょう。MICHELIN PowerGPBRIDGESTONE RS11などの素敵な銘柄が揃っています。kurokiが常用しているのはこのカテゴリーですが、どのタイヤを選んでも楽しいし万能さも併せ持っていてオススメです。ライフ短めなのは諦める必要がありますが。
年間走行距離が1万キロを超える距離ガバ勢には、グリップは落ちてもロングライフが得られるツーリングタイヤカテゴリーをご検討ください。ただし、kurokiは履いたことないのでノーコメント。

ブレーキ

タイヤの次は、ブレーキの強化をオススメします。
不足を感じる部分からの強化するのが走りのカスタムのセオリーです。MT-10はエンジン、車体、サスペンションは素晴らしいですが、ブレーキが頼りないと感じますので、まずはブレーキから手を入れようって寸法です。
誤解のないように申し添えますが、街中を走ったり、のんびりとツーリングする時には問題ありません。サーキット走行などで高い速度から急減速をする、ハードブレーキング時の話です。
また、制動力自体は十分あります。強く握ればシッカリ効きますから。でも、もっと少ない力で制動力が立ち上がってほしいと思うのですよ。

そういうニーズには、ブレーキディスクとブレーキパッドのセット交換がよく効きます。

kurokiのオススメはこのセットですが、さらにハイグレードを目指すなら次のセットもオススメします。

なお、パッドだけの交換では効果少なめです。セット交換を10とするなら、パッドだけは3ぐらいが体感効果なので、ちょっと費用はかかっても同時交換をオススメしたいですね。

マスターシリンダー

コーナリング中の安定感は、フロントブレーキを使ってタイヤをしっかり路面に押し付けると作り出せます。
ラジアルマスターシリンダーであれば、ブレーキを握った力に比例して直線的リニアに制動力が増減するため、横置きマスターに比べて繊細なコントロールがやりやすいです。故に現代のSSの標準装備となったワケです。

そして、Gen1のマスターは横置きです。YZF-R1の兄弟車であるMT-10にふさわしい装備じゃないので、四の五の言わずラジアルマスターに交換しちゃいましょう!
オススメはGen2用のbremboマスター。純正品は信頼性が高い上に安いので、間違いない選択です。

純正bremboマスターよりも繊細なコントロール性を求めるなら、bremboやGALE SPEEDのマスターにするのもアリです。
ただ、ブレーキスイッチの誤作動によってクルーズコントロールのエラーになる症例が多く発生していますので、バイク屋さんとよく相談して装着してください。詳しくはYMCKのnoteを参照してね。

ホイール

バネ下重量の軽量化は、本当に効果が高いです。タイヤが路面に接地する時間が増えるため、タイヤのグリップが向上するのですが、まぁこれがビックリするほど効果があります。
特に軽量ホイールへの換装は、バネ下重量の軽量化に大きく貢献します。

また高速に回転する回転体であるホイールが生み出すジャイロ効果は、想像する以上に走りに影響を与えます。直立する力が強くなるため直進安定性が高くなる反面、傾けにくくなるのです。
軽量ホイールへの換装は、ジャイロ効果を弱める効果があります。

実際に換装してみると、コーナリングラインがタイヤ1つ分ぐらいイン側を描けるようになりますし、鋭くタイトに向きを変えられるようになります。加速・減速も良くなって、あたかも軽量なマシンに乗り換えたような(例:MT-10→MT-09)インパクトがあります。
でも良いことばかりじゃありません。轍や段差などの路面の凹凸を細かく拾うため、神経質な挙動になってしまいます。また、少しのきっかけですぐに倒れ込もうとするので、直進を維持するのに気を使います。特に、荒れた路面のワインディングロードを走るとこのネガが強まり、乗り手を疲れさせます。サーキットみたいな整った路面だと最高なんですけどね。

そんな軽量ホイールですが、素材について再確認しておきましょう。上から軽い順に並べました。

  1. ドライカーボン
    • 安全性の問題でレースであまり使用されていませんが、安全性は近年向上しています
    • DUCATIやBMWなどのハイエンドモデルが純正採用していますので、一定の基準を満たしています
  2. マグネシウム
    • レース用ホイールの標準です
    • YAMAHA YZF-R1純正ホイールはマグネシウム鋳造です
  3. アルミ
    • ほとんどのスポーツバイク用のホイールです

社外ホイールの品質が向上した今、破損などのトラブルはめったに聞きませんが、安全のため必ずJWLマークの刻印があるホイールを選びましょう。そして、メーカーに純正採用されているホイールは信頼性や耐久性が高いと見てよいです。
オススメはYZF-R1の純正マグネシウムホイールです。純正品は信頼性が高い上に安いので、間違いない選択です。
なお、kuroki号にはドライカーボンのBST Rapid TEKを装着。かなりの金額のかかるメニューでしたが、驚くほど効果がありました!

なお、ホイールを交換する際は同時にドリブンスプロケットの交換が必須です。それに合わせてチェーンやドライブスプロケットの交換も推奨されます。つまり、ホイールだけの費用では済まないことを認識しておいてください。

トラクションバッド

ハングオフフォームでは、外側の足を中心にマシンをホールドします。太ももや膝をトラクションパッドに触れておけば、滑らずガッチリとグリップしてくれるので、マシンホールドがとても楽になります。
リーンウィズの時でも、トラクションパッドを軽く挟むだけでニーグリップできて楽です。
その反面、パンツ側が摩耗しやすくなるんですが、レザーパンツであれば誤差の範囲で収まります。

なお、タンクパッドには傷防止およびドレスアップの効果しかありませんので、kuroki号には装着してません。

トラクションバッドには様々なメーカーがありますが、STOMPGRIPがレースでの実績も多く、オススメです。
EU YAMAHA純正のSide Grip padsも良かったです。グリップはSTOMPGRIPに若干劣りますが、問題ないレベルでした。

バックステップ

バックステップはカスタムパーツの定番ですが、あくまでライディングポジションの調整用です。よって、乗り手の体格や走る状況によって装着の要不要を判断するものです。
kurokiの場合、ハングオフ時に外側の足がステップから浮きそうになるので交換しています。EU YAMAHA純正のMT-10 Rearsetsを装着していますが、攻めすぎない程よい塩梅のポジションで気に入っています。

なお、YZF-R1用のバックステップを装着するならば、いろいろとやらなきゃならないことが多いってことを覚悟してください。素直にMT-10用を選ぶほうが楽ですよ。

マフラー

カスタムパーツの花形と言えばマフラーですね。
MT-10の場合は、以下の3つのパーツで構成されており、それぞれ交換可能です。

  1. エキゾーストパイプ
    • エンジンから出ている4本のパイプ
    • 純正パイプの材質は、Gen1はステンレス、Gen2はチタン
    • Gen1とGen2は互換性があります(ポン付けOK)
  2. チャンバー
    • 真下にある通称「お弁当箱」
    • 排ガスの浄化、低速トルクの増強、消音などの様々な役割を担っています
    • カスタムはチャンバーを取り外して「リンクパイプ」に置き換える方法の実質一択です
    • リンクパイプへの換装は、軽量化と抜けを良くする効果がある反面、低速トルクの減少と有害な排ガスを垂れ流すデメリットがあります
    • 海外では decat と呼ばれることが多いです(キャタライザーを外すという意味)
  3. サイレンサー
    • 排出口部分
    • 消音、排気をスムーズにする役割を担っています
    • サイレンサーだけを交換する「スリップオンマフラー」が人気です
    • Gen1とGen2はパイプ径が異なるため、互換性はありません

また、MT-10における留意点も述べておきます。

  • CP4エンジンの粒感のあるツイン的なビートは、エキゾーストパイプやサイレンサーの抵抗によって強調されているため、交換によって粒感が小ぶりになります
  • スリップオンマフラーは、デザインやサウンドが大きく変わりますが、性能はほとんど変化しませんので、ドレスアップ用と割り切りましょう
  • 本気で性能向上を目指すなら、フルエキゾーストマフラーへの交換と、ECU再マッピングが必須です

MT-10の純正マフラーは性能が良いため交換の必要性は薄いですが、Gen1ならばGen2用純正エキゾーストパイプに交換するのをオススメします。
チタン製で軽量ですし、なにより見た目がエロいw

コラム

Posted by kuroki